按針亭
詩吟への誘い
新設 : 2009-01-01
更新 : 2016-03-18
詩吟資料室
吟道精神 (成文・渡邊緑村)

本文


吟道精神

朗吟(ろうぎん)邪穢(じゃあい)蕩滌(とうてき)し、飽滿(ほうまん)斟酌(しんしゃく)し、
血脈(けつみゃく)動盪(どうとう)し、精神(せいしん)流通(りゅうつう)し、
()(ちゅう)()(とく)(やしな)って()(しつ)(へん)(すく)うものなり。
吟道(ぎんどう)()(やしな)うの(みち)なり。
(ひと)(せい)()なり。()()くれば()す。
()(もっ)(やしな)わざるべからず。
正風(せいふう)六合(りくごう)(あまね)く、一聲(いっせい)士氣(しき)(たか)し。
(ぎん)(おわ)りて清風(せいふう)(おこ)る。一吟(いちぎん)(てん)()(こころ)
成文 ・ 渡邊緑村

社団法人日本詩吟学院岳風会発行
普及版「吟詠教本」漢詩篇(一)
平成 20年3月20日改訂版第2刷掲載の「吟道精神」

〔段落・概要・通釈〕を 下段に 掲載
参考資料を別ページ に掲載

八聖殿(横浜市郷土資料館)全国吟詠大会発祥の地
八聖殿(横浜市郷土資料館)
全国吟詠大会発祥の地


<注>社団法人日本詩吟学院岳風会は、2011-11-1から 内閣総理大臣認定 公益社団法人日本詩吟学院に移行しました

このページのトップへ戻る


段落・概要・通釈

【段落・概要・通釈】
   別ページに掲げる諸資料を参考に 調整しました。
段落
概要
通釈
1.第1行目~第3行目
朗吟は」~
「気質の偏をを救うものなり」
朗吟が、どのようなものであって、どのような効用があるかを、『書経』の舜帝の語(ことば)に孔子が付けたといわれる「注釈」を基に説明しています。
なお、孔子注釈と類似内容が『史記』の「楽書」に記されています。
(詩歌などを声高らかに吟じる)朗吟は、心の中のよこしまで汚れた考えを洗い清め、満ち足りて(反応が)鈍くなった心をほどよく調整します。
朗吟は、血液の流れに適度の刺激を与えて血流を改善し、心には生気をみなぎらせます。
朗吟は、過不足無く偏らない温和な品性(中和の徳)を養い、気だて(気性)が偏るのを防ぎます。
 
2.第4行目~第6行目
「吟道は気を養うの道なり」~
「気は以て養わざるべからず」
吟道が「気」を養う「道」であり、「気」は自ら養うべきものであること、「気」の衰えは死に至ることを説いています。
「吟道精神」の重要な部分で、孟子が説く「浩然の気」に拠っています。
「吟道」は、心身の根元となる活動力としての「気」を養い育てる「道」です。人の生命(いのち)は「気」の盛衰にかかっています。「気」が衰え尽きてしまうと死に至ります。
「気」は自ら努力して養わないと、盛んになりません。外部から与えられるものではありません。
 
3.第7行目~第8行目
「正風六合に洽く」~
「一吟天地の心」
正しい道(正風)としての吟道普及により、活力ある吟声が士気を一層高め、清風(すがすがしい心地よさ)が生まれ、吟道の極意に到達する悦びを説いています。
「正しい道」としての「吟道」が 世界の隅々まで浸透すれば、大きな声で朗々と吟じることで、士気がますます高まります。吟じ終ると清々し風が吹き起こり、何ともいえない快い境地(別天地)に導いてくれます。
 
<注>
 第2段落は、「気」を『孟子』公孫丑章句上の第2章(孟子の思想をよく示す章といわれる)の一部を基に説いています。
 第3段落は、「正風」を「吟道」に置き換えた通釈を試みました。なお、「正風」は、戦後、「皇風」から置換されました。

このページのトップへ戻る

他ページへの Link Menu
 
  
  

按針亭宛メールは 「anjintei@nifty.com」 を半角に変換のうえ 按針亭管理人宛に 送信下さい
このページのトップへ戻る